書評
『数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学』の書評のページです。
雑誌『プレジデント』2015年6月1日号 本の時間 鎌田浩毅さんの書評
- 著者が高校生の娘へ数学の面白さを語り始めた途端、「あの数学」に対する評価はガラリと変化した
- 数学者たちが虚数を受け入れてゆく様は、まるで人生の大切な場面で扉を押し開くときのようだ。
- 日常からほど遠い数学の話なのに不思議と勇気が湧いてくる。
- 「使い手の立場」からみた数学が縦横無尽に語られ、「数学が人生を明るくする」事例の数々に感動するに違いない。
週刊『ダイヤモンド』2015年5月2日/9日合併号 知を磨く読書 佐藤優さんの書評
- 人間の限界を知るという意味でも数学の重要性がわかる。
毎日新聞2015年4月19日朝刊 今週の本棚 中村桂子さんの書評
- でも難しいんだよねとおずおずと読み始めたら面白い。
- 「本当にあった『空想の数』」の章で語られる虚数まで、思いがけず頭がついていき、素数、微積分も楽しんだ。
- 5次方程式という難問に挑む若いガロア(決闘により20年の生涯)が、答えは出せなかったけれどその性質を調べるために「群」という概念を考え出す経緯が語られ、心動かされた。日常には関係ないが、若くなくてもこれを知ってよかったと思う。
- 数学と民主主義は古代ギリシアで誕生した。数学は権威に頼らず、論理で真実を見出し自分で自由に考える方法であり、民主主義と共に現れたのは偶然ではないという指摘は興味深い。
武部尚志さんの書評
- 物理学者が書いたにも関わらず、「これは数学者が書きました」と言っても違和感が無いほど自然な数学の説明になっています。それどころか数学全般への教養の深さは、専門に閉じこもりがちな数学者も見習うべきでしょう。
- 不完全性定理や Galois 理論まで一般向けに詳しく、ごまかさず、しかも分かるように書いた本は昔も含めて記憶にありません。
- 「父から娘へ」を基調として、しかも本文の内容を反映させている、柔らかい雰囲気のあるイラストは、連載には無かった本の「特典」ですね。
とねさんの書評
- 人生を生きていくうえでも数学はこれほど大きな意味をもつのだいうことが明快に示されている。
- 数学の話の中でも特に人気の高いテーマがこの1冊にたくさん詰め込まれているので、とても「お得感」がある。
- いちばん僕の印象に残ったのは「数学は人間の都合とはお構いなしに、自分自身の生命を持って発展していく。」という言葉だった。
榎戸誠さんの書評
- 数学は私の不得意課目である。恐る恐る読み始めたが、著者の巧みな語り口に思わず引きずり込まれてしまった。
- 数学の魅力が頭の中に沁み込んでくる。